JA紀南広報誌

2004年7月号p22-02

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ミカン

◆マルチ被覆
 ミカンのマルチ栽培は、雨水を遮断し乾燥による水分ストレスを木に与えることで高糖度の果実を生産する基本技術だ。
 これまでは「マルチを被覆すると隔年結果が激しくなるのでは」という意識が強かったが、最近の試験研究事例には、タイベックマルチは土壌から徐々に水分を蒸散させ、夏場の地温上昇も抑えて細根の働きを促すため、逆に隔年結果がしにくくなるとの報告がある。
 今年の温州ミカンは、特に早生は不作年に加え、5月の曇天・降雨で結実樹が少ないが、結実の安定した園や木では、マルチによる品質向上対策を進めてほしい。
 マルチの被覆時期は、極早生は7月上中旬、早生(木熟)ミカンは7月中旬~8月上旬を目途に、天候などを考慮して被覆する。
 被覆資材はタイベックなどの透湿性マルチとする。被覆方法は、極早生は、着色促進と品質向上をめざす部分被覆(被覆率70~80%程度)として樹冠下の株元に敷き詰める。早生(木熟)は、糖度、着色、品質向上をめざす全面被覆(被覆率100%)とする。営農指導員と相談のうえ取り組んでいただきたい。

◆仕上げ摘果
 いままでのミカンの仕上げ摘果は、果実の大きさを揃えることと品質向上にも欠かせない作業として8月中旬から進めていた。しかし、近年では、温暖化、秋雨による過剰肥大で品質低下を招く傾向があるため、品種と出荷開始時期、着果や肥大を見ながら、仕上げ摘果の時期を見極めよう。
 基本的には、ミカンの摘果ゲージを参考にし、極小果、傷果を摘果、極大果は10月以降の樹上選果とする。また、7月までに上部摘果を行った木では、8月は摘果せず、9月下旬~10月上旬に、果径4・7㌢以下の極小果と極大果を摘果して中玉果作りをめざす。

◆その他の品質対策
 フィガロン乳剤は、マルチとともに熟期促進、増糖等の品質向上の有効対策であり、7月に続き8月もうまく活用する。倍数は2000~3000倍(使用回数はのべ4回以内、熟期促進のみ目的の場合は2回以内)。ただし、樹勢の弱った木には散布しない。詳しくは営農指導員に相談してほしい。

◆灌水
 灌水は、出荷時期や園地の土壌条件、保水力によって方法が異なってくる。極早生は、果実肥大や減酸促進のため、収穫開始1カ月前に酸度が2%以上の場合は10㌃当たり3~5㌧の灌水を行う。
 早生は、土壌乾燥が果実の糖度向上に作用するため、品質を重視した乾燥気味の水管理とする。ただし、水分ストレスがかかりすぎている場合(朝でも葉が巻いている状態)は樹体や果実を見て1樹当たり20~30㍑程度を灌水する。

◆病害虫防除
○黒点病
 8月から9月は、雨による黒点病の後期感染期に入るため、8月下旬にかけて防除する。防除薬剤はペンコゼブ水和剤の600倍(30日前まで・4回以内)。
○ミカンハダニ
 8月前半まではミカンハダニの密度が低い時期だが、8月後半からは注意が必要だ。園内を見回って1葉平均で成虫が2~3匹あれば防除する。防除薬剤は、バロックフロアブル3000倍(21日前まで・2回以内)。
○カメムシ
 8月から9月は、カメムシの果実への加害が多くなり、主に温州ミカンが被害に遭う。台風襲来後、しばらくは果樹園への飛来が多くなるため注意が必要だ。防除薬剤は、MR.ジョーカー水和剤の2000倍(14日前まで・2回以内)、または、ロディー乳剤の2000倍(7日前まで・4回以内)。
○褐色腐敗病
 ミカンの成熟期に降雨が多いと褐色腐敗病の発病が多く、集中豪雨や台風襲来時に多発する。マルチ栽培ではほとんど被害はない。発生園ではアリエッティ水和剤400倍(1日前まで・3回以内)、または、ストロビードライフロアブル2000倍(14日前まで・3回以内)を散布する。(秋津谷営農室)

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