JA紀南広報誌

2004年7月号p06-02

総代会レポート  


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 合併2年目へ 新役員を決定 盛大に「第1回通常総代会」11議案すべてを原案通り可決各地区の総代から熱い意見多くJA紀南は6月19日、田辺市文里のホテルハナヨアリーナで「第1回通常総代会」を盛大に開催した。総代528人(うち書面出席226人、委任状出席3人)が議案審議に参加、合併初年度の事業報告や平成16年度事業計画設定、役員改選など上程された11議案すべてを原案通り可決承認。各地区の総代から熱い発言が多く出た。久保英資専務はあいさつで「JAの力強い協同活動なくして農業と地域の活性化はありえず、合併2年目を正念場の年と位置づけ前進したい」と、諸課題を解決しての合併成果実現に懸命に取り組む姿勢をあらわした。役員改選で新役員58人の顔ぶれが決まるとともに、初代組合長の虎伏章組合長ら15人の役員が新JA発足など多くの功績を残して退任した。


 

今年は正念場の年
久保専務あいさつ


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 広い管内各地区の総代が早くから続々と会場に入場、田上卓司総務部長が出席総代数を議場に告げ、新JA発足後初めての総代会は定刻の午後1時30分に開会した。
 開会あいさつに立った久保英資専務は、台風6号の心配がある中、農繁期の合間を縫って出席した総代と、来賓出席の市町村長などにまずお礼を述べた。
 合併初年度の活動について久保専務は「改革の扉を押し開き、希望を持って前進しよう、『紀南はひとつ』の考えで発足した新JAは、合併基本方針に基づき4つの事業本部制をとり活動してきたが、環境は依然厳しく、合併メリットを発揮した部門もある一方、経営収支に影響を及ぼす問題の発生もあった」と、初年度は非常に厳しい内容となったことを報告した。
 初年度が課題整理の一年でまだ多くの期待に十分応えていない実態を認識しつつ、「合併は事業と組織と経営を改革するのが目的で、一層改革を進めたい。JAが力強く協同活動を展開せずにして地域の農業は守れず、活性化もない。期待に応えるため、慣習にとらわれず、すべてにおいてJAは変わっていきたい」との想いを伝えた。
 また、久保専務は2年目の平成16年度を正念場の年と位置づけた。「1年目の反省に立ち、事業機能の向上と経営基盤強化という本来の目的に向かって進む。長期的視点で諸課題に挑戦するため、今年度は平成17
年度開始の5カ年計画を樹立し、その達成に向け一貫した活動を展開し、合併成果を確実なものにしたい」と合併2年目にかける決意をあらわした。
 来賓祝辞で、西牟婁振興局の松本一彦局長は、「高野・熊野」の世界遺産登録にからみ、「いまが和歌山の個性や魅力を発信できるチャンス」と呼びかけた。
 臨席の市町村長を代表し脇中孝田辺市長は「これからの産地は消費者に信頼されるブランドづくりがキーワードだ。農業は紀南地域の基幹産業であり、その担い手が元気であるよう、行政の立場で農業を盛り上げたい」と述べた。
 臨席の地元選出県議を代表して町田亘県議会議員は、県経済発展のための高速道路網整備などへの意欲を述べ、JA和歌山中央会の荒木健雄専務は谷本正富会長の祝辞を代読。来賓全員が紹介された。

初の総代会議長団に
天野・木下両総代


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 午後2時、仮議長として議長団選任をはかった中家徹専務は、「仮議長一任」の声を受け、議長団に天野正一(上芳養支所)・木下凱弘(田辺支所)を選任した。
 天野議長は、第1号議案「平成15年度事業報告書、貸借対照表、損益計算書、剰余金処分案および附属明細書の承認について」を上程、事務局から久保専務と山本治夫常務が総代会資料のページを示しながら説明した。
 続いて、黒田庫司代表監事が監事団を代表して平成15年度の監査結果を報告。「提出のあった会計帳簿、貸借対照表と損益計算書、事業報告書、剰余金処分案や、理事の職務遂行は適正だった」と報告。天野議長が議場に発言を求めた。
 浅里孝総代(岡支所)は購買事業について「生産コスト低減のため、資材価格低下への経営努力を!」と要望。坂本守常務が答弁に立ち「品目によって、特に当用供給で商系との価格差も認識しており、意見を真摯に受け止め、今後努力したい」と理解を求めた。
 野澤豊明総代(万呂支所)は役職員の数について言及。「いまの役員の定数は、厳しい経営の中で経費負担になっていないか。組合員サービスもあるが、適材適所へ効率よく職員を配置し、そこから出た剰余を少しでも組合員に還元してほしい」と発言。
 中家専務は、役員定数について「協同組合運動は組織運動であり、役員が各地区で組合員と接点を持つことが大事」としつつ、「合併前より役員数は大幅に減少しており、さらに地区運営委員会や生産販売委員会などの組織活動が充実すれば定数減も可能だが」と、定数削減等は今後の課題とした。
 職員数については「合併時より約50人減少したが、単に減らすのは組合員へのサービス低下にもつながるため、支所統廃合等の効率化と併行して進める必要がある。可能な限り効率化を求め、少数精鋭型にしていくべき」と答えた。

不良債権の回収で質問
「懸命の努力」と答弁

 3人目、宇井健総代(三栖支所)は、不良債権の回収と固定比率の改善策について、「合併予備契約では、貸倒引当金は当然積んでおり、要注意先債権以下は強力な回収措置を講じるとなっているが、不良債権の回収状況はどうなっている。また、102%という固定比率も、低い地区では旧組合ごとに高めるのか」と質問した。
 事務局から久保専務が「不良債権の件は、合併契約では、2年間に強力な回収措置を講じ、回収できなければ旧JAの役員が負担することになっており、それぞれ懸命に努力している」。固定比率の改善に向けては「旧JA単位で増資計画を立て運動を実行している」と、早期の財務の健全化をめざしていることに理解を求めた。
 天野議長は、第1号議案について、総代の挙手による採決をとり、賛成者多数で可決決定。
 引き続き、第2号議案「定款の変更について」、第3号議案「信用事業規程の変更について」、第4号議案「特定農地貸付規程の変更について」の3議案を一括上程した。
 山本治夫常務の説明後、質問はなく、各議案別に採決し、出席者の3分の2以上の賛成が必要な「特別議決」である第2号議案を含む3つの議案は可決決定した。

16年度事業計画設定
議場から多くの質問


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 議長は、天野議長から木下議長に交代。第5号議案「開発計画の設定について」、第6号議案「平成16年度事業計画の設定について」、第7号議案「平成16年度における理事報酬の決定について」、第8号議案「平成16年度における監事報酬の決定について」の4議案を一括上程した。
 事務局の説明は、今年度事業計画である第6号議案に多くの時間を割き、「農業・地域・JAの3づくり」を軸とした活動の基本方針を中家専務が、各部門は、営農を坂本常務、生活を木村武常務、金融共済を浅井昌男常務、企画管理を山本常務が説明。その他3議案は山本常務が説明した。

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 4議案の一括質疑に入り、木下議長が総代の発言を求めると、まず濱田好一総代(新庄支所)が、平成16年度の当期剰余金の計画が合併時に立てた3カ年計画の数字より大きく下回る1816万円となっている理由をただした。
 答弁に立った山本常務は、その最大の理由として、加工事業の急激な状況変化を取りあげ、加工事業安定のため今年度目的積立金1億円を取り崩す計画であることに理解を求めた。これを補足し久保専務は「加工の落ち込み分は、取り崩す積立金と他の事業のがんばりでカバーしたい。いま加工事業の基盤を築く思い切った対策が必要だ」と説明した。
 さらに濱田総代は、16年度計画で特別損失に計上した1億1691万円の内容説明を求めた。山本常務は「特別損失の計画は目前に迫った諸課題を解決するためのもの」とし、内容について久保専務が「AコープAPIAの改修にともなう固定資産処分損が約6千万円、選果場等の固定資産処分損が約4千万円余りで、力の限りできるところから課題を整理していきたい」と述べた。
 説明を受け濱田総代は、JAが考えている大規模な改善・改革の具体策は平成17年度開始の総合5カ年計画に組み込むよう要望。加工事業については「将来とも大きな利益を生む事業として今後も期待している」と述べた。
 続いて、宇井健総代が、平成16年度計画で固定資産(土地)が増える理由を質問したのに対し、山本常務が「不良債権処理の関係での競売参加による土地取得が想定されるため」と答えた。
 野澤豊明総代は、管内最大の作目である梅について「毎年の生産安定のため、県うめ研究所なども利用して、きめ細かい栽培指導をしてほしい」と発言。中家専務は「安定生産は大きな課題であり、県の研究所も活用して取り組みたい」と答えた。
 また野澤総代は、旧JA紀南であった利用高配当が、新JAの15年度剰余金処分案にはないことについて事務局の説明を求めた。中家専務は「農薬については利用高に応じ12月にキャッシュバックとして現金で戻すことにしている。肥料は初年度は財源がなかった」と、出資配当や内部留保を優先した剰余金処分としたことに理解を求めた。

意見を十分くみとって
農家のためがんばって

 松本栄二総代(三栖支所)はまず、固定比率改善に向けた増資運動について質問。「JAの固定比率は102%だが、改善のため、旧JA単位でどのような増資計画に取り組んでいるのか」と問うた。山本常務は「15
年度の増資運動は、合併前に計画していた約3億6千万円を大きく上回り、16・17年度も増資を計画している。旧JA単位での固定比率に若干のバラツキはあるが、少し時間をかけて解消していく必要があるだろう」との考えを伝えた。
 松本総代からはさらに「役員の報酬は出来高払いにしてはどうか。農家の意見を反映できる役員は報酬はいくらあっても良いが、その反対の人には報酬を払う必要はない。今日新役員が決定するが、私たちの意見を十分くみ取り、一生懸命農家の繁栄のためにがんばってほしい」との訴えがあった。
 浅里孝総代からは、「平成16年度の購買品供給高の計画が前年度実績を下回っているがなぜか」との質問があり、坂本常務が「いまの状況を踏まえ、精一杯積み上げた数字だが、計画以上の実績をめざしてがんばる」と答えた。
 16年度事業計画に関し5人の質疑応答を終え、木下議長は、第5号議案から第8議案までの採決をそれぞれ行い、全議案を賛成多数で可決決定した。

新役員の改選議案
総代の投票で決定

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 続いて上程の第9号議案「役員改選について」は、事務局の山本常務が説明後、役員選任規程に基づき、候補者全員についての賛否を問う投票採決を行った。
 その際、平茂樹総代(和深支所)から、地区での役員候補者の選任過程に疑問を感じているとの発言があった。中家専務は、役員の選出にあたっては、地区ごとに選考委員会を設置して選出している現状を伝え、理解を求めた。
 投票作業に入り、出席総代は用紙の賛成・反対のどちらかに丸印を記入して投票箱に入れた。開票の立会人は、議長の指名により、小山正明(朝来支所)・宮越明治(鮎川支所)・馬頭孝一(すさみ支所)の3総代が務めた。
 開票の結果、賛成票の圧倒的多数で第9号議案が可決決定し、田上総務部長が新役員の名前を読み上げて順に総代に紹介。
 総代会は終盤に入り、木下議長は第10号議案「理事の退任慰労金の贈呈について」と第11号議案「監事の退任慰労金の贈呈について」を一括上程したが、議場から意見はなく賛成多数で可決成立した。
 全議案が可決成立した後、新JA発足時の役員で、大役を務め平成15年度限りで退任する理事・監事を紹介、会場から大きな拍手とともに功績をねぎらった。
 報告事項として「JAバンク基本方針の変更について」を山本常務が報告した。そして、初回総代会議長の大役を無事果たした天野・木下両議長は、円滑な議案審議への総代の協力にお礼を述べ議長団を解任した。

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 閉会あいさつで中家専務は「いただいた貴重なご意見は今後の運営に生かしたい。今期で退任の役員の皆さまには、永年のご尽力に感謝申しあげたい」。さらに、この日決定の新役員で新年度に向かう気持ちを「非常に厳しい環境下だが、正念場の年と位置づけ、総代はじめ組合員皆さん方のご協力により、役職員一丸、信頼され、地域に存在価値のあるJA紀南をめざして取り組む」とあらわした。
 第1回通常総代会は午後3時40分に閉会した。

 JA紀南がすすめる「3づくり」
 1.果樹を基幹とした日本一の産地づくり
 2.安心して暮らせる豊かな地域づくり
 3.組合員参加による魅力あるJAづくり

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