JA紀南広報誌

2004年5月号p20-02

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ミカン
◆温州ミカンの粗摘果
 今年の温州ミカンは全体的に裏年で、着果の少ない木が多い傾向にある。着果の少ない木は摘果を急がず、樹勢安定と品質向上のため着果負担をかけ、8月中下旬からの後期摘果に重点をおく。しかし、着果過多樹や極早生は肥大促進と品質安定、隔年結果防止などのため粗摘果が重要で、このような木から粗摘果作業に取り組む。
○極早生・早生早期出荷型
 極早生と早生早期出荷型の粗摘果は6月中下旬から始める。早期摘果を主体に、枝別摘果による群状結果をめざし、果実肥大と品質向上を促す。枝別摘果は直径3㌢ぐらいの側枝単位に全摘果枝と群状結果枝を設ける。また、被覆率の高いマルチ被覆園や樹勢の弱い木では、主枝先端から約30㌢までを樹勢維持のため全摘果する。
○木熟ミカン
 早生の木熟ミカンは、群状結果によって、収穫時にS・M果中心、浮き皮しにくい果実生産に努める。着果の少ない木は後期摘果に重点をおき、まず着果過多の木から作業を行う。木熟園は樹勢低下と隔年結果が起きやすいため、着果過多樹では、樹冠上部全摘果も有効な手段の一つだ。遅くとも7月上旬までに、着果の極めて多い園は樹冠上部の5割以上、樹勢が著しく弱い木は7割を思い切って摘果、隔年結果が比較的少なく春梢も見られる木は3割摘果を行う。
○デコポン
 デコポンは、多く着果させ過ぎると樹勢が低下し、小玉果も多くなって、隔年結果を起こす。6月下旬の強い粗摘果は、大玉がそろい、夏期の灌水によって減酸につながり、翌年の着果確保、細根や夏枝発生の促進にも効果がある。粗摘果の程度は、摘果全量の8割近くが目標。思い切った摘果で連年の収量確保を図る。

◆フィガロン乳剤の散布
 ミカンにフィガロン乳剤をうまく使えば、摘果作業の軽減や初期肥大の促進、着色・糖度アップなどの品質向上剤として効果が期待できる。ただ、若木や樹勢の弱い木では散布しない。散布倍数、散布時期、年間使用回数の制限もあるため、使用にあたっては営農指導員に相談する。

◆病害虫防除
○黒点病

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 6月はミカンの黒点病防除の重要な時期だ。梅との複合経営が多い中、防除間隔が開きすぎるケースがあるため、計画的な防除を心がける。伝染源となる枯れ枝は必ず除去し、防除は前回散布から降水量が200㍉を目安に、ペンコゼブ水和剤、またはMダイファー水和剤で防除する。なお、降水量が少ない場合も20~30日間隔で散布する。
○チャノキイロアザミウマ
 チャノキイロアザミウマの果実への寄生は、5月下旬から9月頃まで続く。マキ・サンゴ樹の防風垣を設けた園や夏秋梢がよく出ている園で被害が多くなる。発生が多い6月上旬にジェイエース水溶剤、ゴマダラカミキリと同時防除であればアクタラ顆粒水溶剤、またはサビダニとの同時防除であれば、コテツフロアブルも有効。発生源となる防風樹への散布も忘れないようにする。
○ミカンハダニ
 ミカンハダニは、発生密度の低い段階での防除が基本となる。防除薬剤はアッタクオイル、またはハーベストオイルとするが、降雨直後の高温、強日射時の散布は避ける。なお、ミクロデナポン水和剤やデランフロアブルを使用した園では、1カ月以上の散布間隔を空ける。
○ヤノネカイガラムシ
 ヤノネカイガラムシは、近年一部地域で発生が増えている。発生の見られる園では、5月下旬~6月上旬にアプロードフロアブルで防除する。  
○ゴマダラカミキリ
 ゴマダラカミキリの成虫は6月中下旬に多く発生し枝や幹に産卵する。アクタラ顆粒水溶剤、またはスプラサイド乳剤で防除する。
○ミカンサビダニ
 ミカンサビダニは近年被害が多く、必須の防除となっている。昨年まで被害がなくても、今年急に発生することがあるため十分注意する。防除適期は、果実に移動する前の6月下旬から。コテツフロアブル、またはサンマイト水和剤で防除する。防除が遅れると効果が安定しない場合があるため、時期を逃さずていねいに防除する。
○その他の病害虫
 ミカンの高接ぎ園や幼木、夏秋梢の出た園では、ミカンハモグリガ(エカキムシ)、アブラムシの防除を行う。同時防除の場合はモスピラン水溶剤を散布する。

◆中晩柑類の夏肥
 中晩柑類の夏肥は、樹勢維持と果実の肥大促進のため6月上旬に施用する。10㌃当たり、「清見」は新果樹配合100㌔、ハッサク、甘夏は有機化成特A805を60㌔、デコポンは完熟みかん配合を100㌔施用する。

◆マルチ被覆の準備
 ミカン栽培面積の50
%を目標にマルチ被覆に取り組もう。雨水の速やかな排除が被覆効果を高めるため大切で、被覆前に溝切りや排水溝の設置・整備を行う。被覆時期は梅雨明け後が基本だが、気象の動きを十分把握し、営農指導員との相談のうえ適期に被覆する。
(ミカンは芳養谷営農室の中平剛史が担当しました)

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