JA紀南広報誌

2004年5月号p10-02

南紀用水事業が完了  

梅、ミカンの受益面積は1550㌶4月から全面供用開始  

 田辺市、南部町、南部川村の梅園とミカン園計1550㌶に農業用水を供給する国・県営の「南紀用水事業」がこのほど完了し、農家が待ち望んでいた全面供用が4月から始まっている。今後は「南紀用水土地改良区」が灌がい施設の管理・運営を行う。


完成まで37年の歳月

画像の説明

 ミカン全盛期の1960年代に紀南を襲った大規模な干ばつ被害を教訓に事業化された。灌がい施設整備を果樹産地の悲願としていた当時の紀南農協もその着工を喜んだ。1967年の調査開始から完成まで37年の歳月を要した巨大事業で総事業費は433億円。
 国営の農業水利事業としては、南部川村東神野川に総貯水量307万㌧の島ノ瀬ダムを91年に完工、3市町村の10カ所に800~2700㌧の貯水槽を設置した。国営の総事業費は約259億円。
 県営の灌がい用水事業は、南部川の右岸・左岸に分けて89年度に着工、灌がい防除基地、スプリンクラーなどの設置工事を2003年度末で完工した。
 受益面積は南部川村830㌶、南部町437㌶、田辺市521㌶で、受益農家は1511戸。園地への幹線送水管・支線管の総延長距離は345㌔、スプリンクラーの噴口数は計約10万9千本におよぶ。県営の総事業費は約174億円。

土地改良区で維持・管理

 島ノ瀬ダム、幹線・支線、防除基地などの維持・管理のためには法人格の南紀用水土地改良区(事務所は南部川村西本庄)に設置しており、受益者負担金の回収も行う。農家は各灌がい防除基地ごとに加入者でローテーションを組み施設の効率的使用を図っている。
 今回の供用開始に稲成の受益農家は「ミカン全盛期に始まった事業だが、今や梅の方が多くなり、要した時代の長さを感じる。しかし農業への水の大事さは変わらない。施設を梅やミカンの安定・高品質生産に役立てたい」と話している。
 南紀用水事業は当初、南部川と日置川の2つの水系から引水する計画だったが、途中日置川水系を断念する紆余曲折もあった。
 これにより田辺市の受益地区は南部川水系の芳養町・中芳養・上芳養・稲成町の全域と上秋津の佐向谷右岸という対象エリアに軌道修正された。
 対応措置として田辺市内の三栖一丁田地区と上秋津河西地区で「緊急畑地総合整備事業」が実施され、灌がい施設が整備された。

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