JA紀南広報誌

2004年11月号p15-01

2004年11月号もくじ

Webカメラの多方面での活用に期待  

台風の進路予想で全国のITな農家がよく利用しているのが、アメリカ海軍のJTWC(Joint Typhoon Warning Center)というサイトです。
 気象庁は3日先程度の進路予想しか発表がありませんが、アメリカ海軍のサイトでは5日から7日先までの予想が出されていますので、これで確認している方は、対策も落ち着いてとることができていると思います。ときには進路予想から外れることもありましたが、大きく外れることは少なかったように思います。
 インターネットが普及していなかった10年前なら、日本の農家がアメリカ軍から台風進路の情報を得るなんて想像もつかなかったことと思います。
●JTWC=https://metoc.npmoc.navy.mil/jtwc.html

リアルタイムで世界中を動画や静止画で見れる
皆さんは“世界の窓”というサイトをご存じですか? 世界中に設置されているWebカメラへのリンク集です。インターネットとカメラとがつながっていますので、世界中の様子がリアルタイムで動画や静止画として見ることができます。マンハッタンだったり、パリだったり南極だったりと、いろんな所にカメラが設置されています。もちろんJA紀南管内にも数カ所あるんですよ。
 いまこのようなカメラを園内に設置し、農作物の成長を見たり、記録をとったり、消費者には農産物の成長の様子をホームページで見てもらおうとの試みもなされています。インターネット社会は、都市部でも農村部でも、第一次のブロードバンド化の整備がほぼ終わり、大画面での鮮明な動画の配信が可能になってきたのです。
 今までは動画(映像)の生中継はテレビの世界でしたが、これからはインターネットもブロードバンド化により、こういった生中継が可能になってきています。近頃では、コンサートの中継などもインターネットで配信されるようになってきました。
●“世界の窓”=http://www.sekainomado.com/

直売所のカメラで出荷者が売れ行きを確認
Webカメラは農産物直売所での活用も大いに期待できます。いままでは直売所に出荷した品物の売り上げは、レジを通った時にデータ化され、出荷者のパソコンや携帯電話にEメール配信するというシステムや、電話の自動アンサーシステムと組み合わせて出荷者が確認するといったシステムが主流でした。
 しかし、直売所へWebカメラを設置すれば、出荷者がパソコンや携帯電話を使ってホームページで直売所の生の映像を見て、陳列棚の自分の商品が減ってくればすぐに補充することができます。
 これまでのEメール配信のように、個人の情報を伝えるだけですと店全体の売れ行きが分かりませんでしたが、Webカメラ1台で店全体の流れやお客さまの入りが確認できます。なにより、小さな直売所では、個々への情報配信といったシステム構築となると、高額な投資が必要ですが、Webカメラならカメラ価格ですと2万円(低解像)から30万円(高解像)の範囲の投資で済ませられます。もちろん、月々のランニングコストは、光ファイバー契約だけですのでとても経済的です。
 もうひとつ、消費者が、直売所のホームページで陳列商品の様子を見て、電話で「このミカンとあの梅干しと、あの野菜を詰め合わせて送ってください」といったことも可能になります。店に来られないお客様であってもWebカメラを通して対面販売ができるのです。

産地・市場の情報伝達手段にもWebカメラを
 Webカメラなら、市場の各産地の荷受量や荷動き、セリの様子もリアルタイムで確認できます。すでに各市場はホームページで情報を公開していますが、内容が毎日更新されている市場はなかなか見あたりません。そこにWebカメラが入れば、市場はホームページの更新作業からもある程度解放されますし、産地も荷受けやセリの映像やデータを見て市場の状況を知ることができます。卸売市場にも一段のIT化をお願いしたいところです。
 皆さんの出荷したミカンや梅や野菜が、都市部の量販店で売られている様子を直に確認するチャンスは多くありません。キャンペーンに出向いた時か、視察に行った時ぐらいでしょう。本当に消費者は果物離れをしているのか? 本当にあの産地のあの商品だけが売れているのか? 農家が映像を見て確認できるなら、私たちの栽培の現場も少しは考えが変わるかもしれません。押しつけられて行動するのか? それとも自ら確認して行動するのかではまったく動きが変わってくると思うのです。
 Webカメラは介護・福祉、教育、防犯、工場、ペット、その他の分野でも利用が始まっています。農業でも映像のプライバシーにも配慮したうえで、有効な利用を考えていかなければならないと思います。

〈木村則夫さんEメールアドレス〉
      info@kimura-e.com
  〈緑の果樹園の中の小さなホームページ〉
      http://www.kimura-e.com

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