JA紀南広報誌

2004年10月号p11-01

●五輪で見た日本選手団の明暗●  

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金融共済担当常務 浅井 昌男

 記録的な猛暑も去りすっかり秋らしくなって、幾分肉体的にも精神的にも余裕がもてる季節となりました。
 そう思うのも、今年の8月は猛暑と重なり4年に一度のオリンピックがアテネで開催され、史上最高の活躍を見せる日本の若者(一部中年も)に魅せられて寝不足気味の日々が続き、体力面でかなりきつい夏だったからかもしれません。
 JAに就職したのが東京オリンピックの年で、オリンピックを見ると、いまだに懐かしく、40年前の当時を思い出します。そんな中、今回特に感じたのは、日本選手団の明暗を分けた要因のひとつとして、長い年月の間に種目もルールもずいぶん変化するにつけ、それに臨機応変に対応するための対策の有無が挙げられるのではないかということです。
 例えば、女子ソフトボールは、アメリカ戦、オーストラリア戦では、プロ野球界でよく言われている左ピッチャーに対する左バッター戦略の失敗が、もろに勝敗を分けたように感じました。
 ドリームチームを編成して挑戦した野球は、あまりに対キューバ戦を意識しすぎたがために、それ以外のチームの情報収集を怠り、逆に日本を徹底的に分析したオーストラリアに足元をすくわれる結果になったのではないでしょうか。
 一方、男子体操は、今回から採用された新しい得点方式にいち早く順応できたからこそ、団体総合で金メダルという見事な復活劇が果たせたように思われます。
 現代のスポーツを見て昔と一番ギャップを感じるのは、練習での水分補給についてではないでしょうか。遠い昔は、体力、技術力よりも、根性を鍛えれば勝てるとの発想のもと、極端に言えば、練習中の水分補給は、即ち「負け」を意味しました。現在のスポーツ医学の見地からすればたいへん愚かな考えなのですが、当時は信じて疑わなかったものです。
 このような考えで精進し続けた過去の日本選手には、どこか悲壮感のようなものが漂っていたように思いますが、そこから発想を転換し、体力、技術力、精神力がバランスよく鍛えられ、伸び伸びと楽しみながら、持てる力を存分に発揮できるようになった顕著な例が、大活躍した競泳陣ではなかったかと思います。
 JAの日々の業務の中でも「歴史に学べ」「時代の変化に沿った新しい発想を」「臨機応変な姿勢で」等々の言葉はよく耳にし、口にもしますが、今回オリンピックをテレビで観戦しながら、いま一度その重要性を感じたところです。
 暑く、そして熱かった夏を思い返しながら書きましたがアテネでの日本選手団の大活躍に力をもらって、将来に明るい希望を抱き前進していきたいものです。

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