JA紀南広報誌

2004年10月号p09-01

被害拡大のアライグマ  

オリ設置、2年で275頭捕獲 DNA分析し繁殖家系も判明  

画像の説明

  移入種のアライグマによる農作物被害問題で、JA紀南と田辺市は2年前から共同で対策に取り組み、これまで275頭を有害鳥獣として捕獲した。調査研究は田辺市ふるさと自然公園センターの鈴木和男さんに委託、DNA分析では同地方のアライグマは2つの家系から繁殖した事実も判明し、被害拡大防止に向けてのデータの蓄積と分析が着実に進んでいる。
 田辺市を含む紀南地方では十数年前に初めてのアライグマ目撃情報があり、一昨年夏に農作物被害が急増し問題が顕著化し、農家の相談を受けたJAと田辺市が対策に乗り出した。
 被害はミカンや柿・スモモなどの果樹類とスイカ・トウモロコシなどの野菜類で、被害額の割合は果樹8割、野菜2割。田辺市の鳥獣外被害額が平成15年度で約3100万円あるうち、アライグマはサルの2100万円に次ぐ500万円と主要な有害鳥獣になった。
 生息の絶対数を減らすため田辺市では補助を行い捕獲用オリの設置を呼びかけた。一昨年の当初は毎月10頭未満だった捕獲数も最近は10~20頭がコンスタントに捕獲される。エリアも市内農村部全域に広がった。
 鈴木さんは「捕獲だけでなく、その際の記録の蓄積と分析が今後に役立つはず」と確信し、食べ物やDNA、寄生虫も調べる。
 外部委託したDNA分析では紀南地方のアライグマは2つの家系から増え、そのうち一家系は田辺市の南北数十㌔以上のエリアにまで広がったことが分かった。
 一般的な鳥獣害対策は猟友会などに依頼しての捕獲が中心だが、アライグマは畑に設置したオリでの捕獲がベースだ。「根絶の決め手はまだないが、オリの設置や、餌付けのようにならない環境づくりなど、農家が主体的にできることは多い」と鈴木さんは言い、田辺市のような農家参加型の取り組みがモデルケースとなって、周辺に波及してほしいと願っている。

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