JA紀南広報誌

2004年10月号p05-01

新庄・福嶋さんのミカン園  

カンキツ大会で全国から視察  

糖度12%以上を7割 適地適作で高品質生産

画像の説明

 9月8・9の両日、和歌山県で開かれた「全国カンキツ研究大会」では、JA紀南管内は新庄、上秋津、芳養町大坊が視察地となり、田辺市新庄町の福嶋隆さんのミカン園にも全国の大会参加者が訪れた。
 新庄の国道42号からも見える福嶋さんの園地は、早生の「宮川早生」「興津早生」合わせて70㌶。マルチ被覆と土づくり、剪定等の技術で、毎年糖度12%以上のミカンを7割以上生産している。
 樹齢は35~48年。土づくりは土壌改良とホーレ深耕を重視する。自然型を基本とした整枝・剪定で独立樹に仕上げ、葉数も確保。「宮川」は連年結実、「興津」では隔年交互結実によって安定生産を図っている。
 環境に配慮した農業もめざしている。虫害対策の農薬散布を減らそうと、園内外に防虫・捕虫灯を設置。虫を寄せ付けない効果のある黄色い光の物は園内に、誘引して捕虫する青色の光の物は園外に設置し、2種類を使い分けている。
 福嶋さんは平成4年まで旧JA紀南の営農指導員だった。就農後は父の伝兵衛さんから経営を移譲された。現在ミカン1・25㌶、梅1・15㌶等の果樹複合経営で、妻と両親の4人で農業を営む。
 「栽培技術も大切だが、ミカンに向いている畑を見極めることが先決」と〝適地適作〟をミカン作りのツボととらえる。その条件をクリアしたうえで、技術や資材を投入し、うまさをとことん追求してきた。
 高品質栽培に欠かせないマルチ栽培も、当初は「マルチに頼らず自然条件下での栽培で勝負したかった」。しかし、温暖化などの気象条件の変化、木熟させての高糖度生産に効果的に対応するため、平成9年からマルチを導入した。いまでは納得の栽培技術だという。
 マルチの被覆効果は、糖度と着色増進が一般的に言われるが、福嶋さんはそれ以上に浮き皮防止や適正な果実肥大、フトコロまでの味のそろいなどのメリットを強調する。
 また、生産だけでなく、地道な消費拡大活動も重要だと考えている。中でも「地元にすばらしい産業があることを子どもたち、特に非農家の方に知ってほしい」と、小学校のミカン狩り体験も受け入れている。
 JA紀南の中央選果場の運営委員長や生販・部会の役員も務めてきた。今後の紀南ミカンの展望については「とにかくミカン作りを好きになること。買っていただける方に『おいしい』『また食べたい』と思ってもらえるようなミカンを作るのが産地の使命だろう」と語る。

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