JA紀南広報誌

2004年10月号p04-01

第50回全国カンキツ研究大会  

全国から生産者ら1500人参集 田辺をメイン会場にJA紀南視察も  


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 全国のかんきつ産地の活性化を図るため生産者や技術者が集まって事例報告や現地視察を行う「第50回全国カンキツ研究大会」(全国果樹研究連合会、県果樹研究会主催)が9月8・9の両日、和歌山県で開かれた。メイン会場となった田辺市内のホテルハナヨアリーナには1500人が参集。各産地の事例報告や記念講演と、2日目は県内の優良園地を巡回視察した。JA紀南からは生産販売委員会とみかん部会の役員、役職員ら約200人が参加した。

  今大会のテーマは「新しい流れを創ろう……地域特産品で経営革新を」。和歌山での開催は昭和58年以来3回目となった。直前の台風16号で大被害を受けた九州や中国地方などの一部の県は参加を見合わせた。
 大会では、主催者から全国果樹研究会連合会カンキツ部会の長畠耕一部会長があいさつ。「食への消費者の関心は高い中、おいしいかんきつ類を供給し、信頼を確保することが大切だ。自信を持って果物の良さを情報発信するなど積み重ねが大きな流れを作る」と、全国の産地が団結してかんきつ振興に取り組む必要性を訴えた。
 来賓の木村良樹和歌山県知事は「果樹王国と呼ばれる和歌山にとって、かんきつ類の低迷は深刻だ。消費者の財布のヒモは堅いが、インターネットなどあらゆる手段で販売し、活性化しなければならない。各産地が長年培ってきた栽培技術などを絶やすことのなく、今後の農業の発展を願っている」とあいさつした。

 こだわり栽培で振興2産地から事例報告

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 特色のある地域農業を実践している事例報告では、JAえひめ中央の一色悟果樹同志会副部会長とJA紀州中央の芝崎幸司野菜果樹課長の2氏が発表した。
 一色氏は、愛媛県の優良かんきつ品種の周年供給体制の構築と農家の意識改革の取り組みについて発表。「伊予柑や極早生など、供給過剰の物や高品質が望めない老木園を改植・更新し、新品種を含め個性化商品を生み出すことが今後の生き残る道だ」と強調。「せとか」、デコポン、ネーブルなど優良中晩柑に取り上げた品種の増植の事例を紹介した。
 消費者ニーズが多様化する中、作れば売れる時代から、おいしい物しか売れない時代になったとも言い、「栽培の手間は、それ以上に価格で返ってくる。消費者の期待を裏切らない生産に努めたい」と力を込めた。
 芝崎氏は、川辺町で生まれた極早生品種の「ゆら早生」の産地化の取り組みを紹介。「品質の良い物は売れる」との信念で普及し、平成20年には極早生の半分の面積を「ゆら早生」にしたいとの方針を述べた。
 「ゆら早生」の栽培で重要なのは、マルチで糖度と着色を上げる、ジベレリンで着果数を抑制するなど「早期出荷をめざす品種ではなく、遅れても着色と糖度を乗せれば高価格が期待できる品種だ」と強調した。

 「日本産地が団結して」長谷川氏が産地に提言

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 農業・生物系特定産業技術研究機構果樹研究所(静岡県)の長谷川美典カンキツ研究部長は「時代を先取りするカンキツ経営」をテーマに講演した。
 長谷川氏は、かんきつ生産の高齢化が進む中、一層の省力化、軽作業化が必要だとし、「素人もできる環境作り」が後継者確保にもつながることを訴えた。
 温州ミカンに含まれる発ガン抑制物質のβ―クリプトキサンチンや、老化防止のヘスペリジンなどの機能性は大きなPR要素で「学問的に証明されており、これを消費拡大に積極的に生かしてほしい」と語った。
 中国のかんきつ産地の拡大も視野に入れ、良い品種は産地内にとどめず全国に広げる重要性も強調。「かんきつオールジャパンで動かなければ国内産地はつぶれる。中国に負けない物を作り、国民には国産を食べてもらおう」と力説した。
 2日目は、参加者がバス6台に分かれて県内の優良園地を視察。田辺市内では新庄町の福島隆さんの早生ミカン園、上秋津の中晩柑園、芳養町大坊・団栗の木熟ミカン園が視察コースとなった。

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