JA紀南広報誌

2003.4.16

ミカン  

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◆着花過多樹の新梢発生促進
 今年のミカンは表年樹が極めて多い。このため2月から、結果母枝の整理、予備枝づくり、上部の刈り込み剪定、さらにチッ素系液肥の葉面散布、春肥の早期施用など新梢の発生を促す対策を進めてきたところだ。
 それでも新梢の発生が少なく着蕾の多い木は摘蕾と再度予備枝の設定を行い、着花数を減らして新梢発生を促す。また、樹勢が弱かったり樹体内のチッ素濃度が低いと芽は短く弱いため、次年度の母枝としての効果は少なくなる。新梢の発生と充実を促すには、4月下旬から開花までの間に、花肥として速効性の千代田化成を10㌃当たり20~30㌔施用する。あわせてチッ素系液肥の葉面散布を行えば効果的だ。

◆遊休樹作りで隔年交互結実
 表年の今年は、木や園単位で全摘果し強制的に遊休樹を作り、表年と裏年を振り替える対策である「隔年交互結実」の取り組みが考えられる。
 遊休樹(園)の割合は経営面積の3割を目標としたい。特に手作業による摘果は労力的にも困難なため、薬剤摘果をすすめる。薬剤摘果は、全摘果が目的の場合、満開後10~20日後に晴天の続く日を選び、フィガロン1000倍+アタックオイル200倍を葉先から薬剤がしたたる程度散布する。なお摘果剤はベタ花の木では効果が劣る。薬剤摘果後に残った果実は6月から7月にかけて手作業で全摘果し、このとき夏剪定もあわせて行い来年の結果母枝を確保する。         (表1参照)

◆苗木・高接ぎ樹の管理
 高接ぎした木は発芽後の管理がその後の生育を左右するため、園内を見回って、芽だし、芽かき、摘芯などを徹底する。(図1参照)
 ポイントは、①1芽から数本の芽が出たらできるだけ早く一番生育が良い芽を残して他は芽かきする②残した芽は展葉7~8枚で摘芯し新梢の充実と夏芽の発生を促す③伸長した新梢は支柱を立てて誘引する④ミカンハモグリガ・アブラムシ類・かいよう病などの防除を定期的に行う⑤除草・灌水・施肥などの基本管理を徹底する。
 苗木についても、同じ箇所から発生した芽は、向きや角度、伸長量などを考慮して一番良い芽を1芽残して他は芽かきする。一年生苗木では5~6本を残し、展葉7~8枚で摘芯して新梢の充実と夏芽の発生を促す。高接ぎ樹同様、苗木についても、防除も含めた基本管理を徹底し樹冠の拡大を図ろう。       (図2参照)

◆マルチ被覆園の夏肥施用
 マルチ被覆園では乾燥ストレスに耐えられるよう被覆前から樹勢を高めておく必要がある。マルチを被覆する早生ミカン(極早生は施用しない)では、花肥を施用していないことを前提に、夏肥として5月中下旬に速効性肥料を10㌃当たりチッ素成分で3~4㌔施用する。夏肥は施用時期が遅れると果実品質に悪影響を与えるため遅れないよう注意する。

◆病害虫防除
○灰色かび病
 灰色かび病の発生は、開花期から落弁期にかけての曇天や雨天が続くと多発の要因となる。かんきつ類では、温州ミカン、中晩柑の「清見」等は幼果の表面に花弁が残存・付着しやすいため発病が多い。防除薬剤は満開期から落弁期にかけてストロビードライフロアブル2000倍(14日前まで・3回以内)。
○黒点病
 黒点病は、枯れ枝の越冬病原菌胞子が雨で飛散伝播し、落弁期以後の果実に伝染する。多雨や曇天時に感染が多く、主な感染時期は梅雨と秋雨の時期である。防除は落弁期にペンコゼブ(水)600倍(30日前まで・4回以内)を灰色かび病の薬剤と混用散布する。第一回の防除以降は薬剤の残効性の切れる150~200㍉の降雨を目安に防除を繰り返す。なお梅園の近隣園では安全使用基準の点で飛散に注意するか使用を控える。
○かいよう病(中晩柑類)
 中晩柑類のかいよう病多発園では、春枝から幼果の感染時期に入るため、5月下旬の防除が重要となる。新葉硬化後にICボルドー66Dの80倍を散布する。
○訪花害虫
 コアオハナムグリ(カナブン)やヒラタケシキスイなど、花粉や蜜を求めて飛来する昆虫が花の子房(果実)に傷をつける。果実の被害症状は、白っぽい傷が果実表面に縦筋状に入り肥大にともなって目立ってくる。開花期に晴天が続く場合や中晩柑等の花粉が多い品種に発生が多いため注意が必要だ。防除は3~5分咲きの頃にモスピラン水溶剤2000倍(14日前まで・3回以内)などを散布する。
(ミカンの農作業は営農企画課・城戸誠司が担当しました)

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