JA紀南広報誌

2003年9月号p06-02

●学経役員連載コラム●  

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生活担当常務 木村 武

経済事業改革の渦中にあって

 合併後初めての第1四半期仮決算が終了したと思ったら、間もなく上半期の決算時を迎える。時の流れに押し流されそうで不安を感じる。
 新生「JA紀南」は合併後の事業管理機構として、4つの本部による事業本部制を採用した。これにより高度化、専門化、スピード化が図られ、組合員の皆さまのいろいろな要望に的確・迅速に対応できるとの想いで決定したものである。
 私はこの中で生活本部を担当しているが、事業本部制の本来の機能をいかに発揮するか、ということになると、今後検討すべき課題が山積していると思われる。もとより合併間もないこの時期になんら結論が出せるものではないが、ともすれば日常業務に流されがちになる中、あらためてこのことを念頭におき、今後の取り組みを進めていきたいと考えている。
 さて、生活事業部門について、それぞれの事業を見ると、JAとしての取り組みが金融・営農などの他の事業に比して新しい事業であること、合併前から具体的に取り組んでいたJAが少ない事業部門であることが特長の一つである。
 そのため、職員間でも、生活各事業への理解には温度差があり、組合員の皆さまもまだ認知されていない部分が多い事業であると思う。
 おりしも、「総合規制改革会議」や「経済財政諮問会議」、続いて出された「農協のあり方についての研究会」の報告などで、農協の経済事業のあり方が大きな問題として取り上げられている。
 その中でも生活事業に対しては非常に厳しい意見が出され、分社化や事業からの撤退なども指摘されている中、JAがどのように生活事業に取り組むべきか、今後に大きな責任を感じているところだ。
 生活事業は、農協の目的が「組合員の営農と生活を守る」ことにある以上、JAとしてこれに積極的に取り組むことは当然のことである。あたまから事業自体を批判することはまったく意味のないことであり、これらの批判は協同組合の本質を理解していないところから出されているという感はぬぐい得ない。
 しかし、批判は批判として謙虚に受け止めたいとも考えている。ただそのとき、協同組合の本質は決して見失うことのないようにはしなければならない。
 管内の高齢化比率は27・6%、全国の農業就業人口のうち女性の就業比率55・4%。日常家庭の生活の中枢を担う女性の組合運動への参画、着実に進む高齢化社会への対応、また、安全・安心な食の提供、地産地消への強い要求などがある中、今後の生活事業の必要性はますます高まってくるものと思われる。
 旧JA紀南が切り拓いてきた介護事業や旅行事業、旧JAとんだにおいて開設された直販所「あぜみち」など、先人が苦労された想いを新JAへと引き継ぎ、組合員皆さまの提言をいただきながら、より発展拡大させることがJA紀南での私たちの責務だと考えている。

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