JA紀南広報誌

2003年6月号p031-01

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真鍋 花秀子

本との出会い
雑誌や新聞で、「人生を変えた一冊」といった記事を時々見ますが、人生で本とのそういった出会いがある人はごくまれだと思います。自分自身を振り返ると、それほどの出会いはありませんでしたが、それでも結構影響はあったようです。 まず、高校生の時に京都について書かれた本に出会い、同時期に京都が背景の「枕草子」という古典を授業で習ったことで、私は高校卒業後の進路に京都を選びました。「住んでみよう」と思うようになったきっかけはその2冊の本でした。
 長い学生生活の間には、いろんなジャンルの本を読んでいました。たぶん、一生で一番吸収力のあるその頃に読んだ本は、はっきりとした形には表れていませんが、とても大きな存在だったと思います。
 難しい本や名作だけが良いとは限りません。中学生の娘が習っていた国語の先生は「ヘタな小説より、良い漫画の方がずっとためになる」と子どもに話してくれたそうですが、心に残る本って、本当にそういうものだと思います。
 その先生は、太宰治から漫画の本までいろんな本の魅力を子どもに教えてくださいました。たくさんの本を読まれた本好きの先生に、本のおもしろさを教わることができて良かったです。 子どもたちが小さい頃は、できるだけ本を読ませて育てましたが、その反動か、今は3人ともどちらかというと体育会系で、あまり本は読みません。
 中学生の息子も、1年間で読んだ本は「指輪物語」と「ハリーポッター」だけです。上の女の子たちもそれに近いくらいしか読んでいませんが、読みたいと思ったとき、また読み出すだろうなあと思っています。
 自分の方はと言うと、学生から社会人になる頃から、だんだんアガサ・クリスティなどの外国の推理小説ばかり読むようになりました。 ここ数年は本の影響で自分が変わったのではなく、機会があってイギリスに行ったことで、読む本のジャンルが変わっていきました。従来から好きなイギリスの推理小説にプラスし、イギリスの庭の本や子ども向きの本(ハリーポッターなどもそう)に広がっています。 イギリスの絵のようにきれいな街や村を見ると、この国だからああいう本ができたんだと、とても納得しました。自分の目でイギリスの花や庭を見て来て、庭の本を読んで花や庭の好みが変わるほど強いインパクトを受けたかなと思います。 なんだかとっても単純な影響の受け方ですが、それでも何年かごとのサイクルで目立たないけれど、本の影響が出ているなと振り返ってみて思います。
 それに、世の中不景気だったり、うまくいかないことがあったときに、違う世界に入り込めるのも本の良いところです。これからまたうれしくなるほど好きになれる本に出会えることを楽しみにしています。

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