JA紀南広報誌

2003年6月号p022-01

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雨音に寝落つかな  

『早苗饗の 夜の雨音に 寝落つかな』西村牽牛

 日本農業新聞の一面、下段中央に草野比佐男氏が「くらしの花実」と題して、毎日、歌・俳句の寸評を載せており、私も毎日、朝食後の寸時、個室で興味深く読んでいる。
 早苗饗の句は5月14日に掲載されたものだ。早苗饗とは、田植えの終わったあとの一日、仕事を休み、赤飯などを炊いて農事の一段落を祝うことだと記されていた。
 兼業農家のわが家にとっては、ゆっくりと一段落を祝っている余裕はないが、田植えの終わった20日の夜は、Aコープで寿司パックと刺身を買い、やれやれと労をねぎらったところだ。
 農事の祝いごとは、各地、各家でいろいろとあるが、時代とともにその伝統・慣習は薄れてきている。わが家の行事としては、1月15日の小正月には、〝成らな切ろ〟がある。小豆のおかいさんを炊き、畑の木々に「成らな切ろ、成らな切ろ、成れば小豆のおかゆで祝おたげよ」と言いながら、小豆のおかいさんを供えていく。
 最近では、祝祭日が変更になって小正月が必ずしも休日にならないのが困ったことだ。
 田植え前には、赤飯とお神酒を苗と田んぼに供え、稲の無事なる生育を願うのが、母から受け継いできたわが家の習い事だ。今年はJA合併があり、米づくりができるのかと気を揉んだが、兎にも角にも5月20日に田植えを終えた。
 4月1日の合併以来、早や2カ月が過ぎた。当初の目の回るような忙しさは過ぎ、少しは落ち着いてきた。その間、旧JAの決算のとりまとめ、各種組織の立ち上げ、地区懇談会の開催、また各事業の推進とともに、事務の統一化などなど、互いに気持ちの落ち着くことが無かったかと思う。
 本所総務部の席に居ながら、まだまだ全体像が定まらない私だが、JA紀南はすばらしいかなと思う。いまのところ、このすばらしさを言葉で言い表せないのであるが、早く皆んなとともにこの気持ちを共有したいと思う。
 5月22日、初めて営農生活本部(旧JA紀南本所)の宿直当番となった。田植え後の疲れも出て、早苗饗とはいかないが、雨音に寝落つかなであった。(山際紳一)

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