JA紀南広報誌

2003年5月号p14-01

画像の説明画像の説明

ミカン

◆温州ミカンの粗摘果
 極早生ミカンは、部分マルチ被覆を前提に早期摘果に重点をおく。また早生ミカンの完熟栽培については、全面マルチ被覆と上部全摘果の技術対策を施すなど、味・品質・連年結果など目的に合った摘果作業を進める。
○極早生・早生早期出荷型
 温州ミカンで極早生と早生早期出荷型の粗摘果は、6月中下旬から始める。早期摘果を主体に枝別摘果による群状結果をめざし、果実肥大と品質向上を図る。枝別摘果では直径3㌢ぐらいの側枝単位に全摘果枝と群状結果枝を設ける。また被覆率の高いマルチ園や着花過多樹などは、樹勢維持を目的に主枝の先端から約30~50㌢までを全摘果する。
○完熟ミカン
 完熟ミカンは、群状結果により収穫時にS・M果が中心となる果実作りに努める。完熟園は長期間果実を成らせるため樹勢低下と隔年結果を起こしやすく、高品質生産と樹勢維持、連年結果を図るには、一昨年から取り組んでいる樹冠上部摘果も有効な手段である。
 摘果の程度としては、①着果の極めて多い園は樹冠上部の5割以上②樹勢が著しく弱い木は7割を思い切って摘果③隔年結果が比較的少なく春梢も見られる木は3割摘果を行う。

◆デコポンの粗摘果
 デコポンは着果量が多いと樹勢が低下し、小玉果が増えて隔年結果を引き起こす。6月下旬の強い粗摘果により大玉が揃い、減酸にもつながる。また、翌年の着果確保、細根や夏枝発生促進にも効果がある。摘果程度は全摘果量の8割近くを目標に粗摘果し、最終着果数が1立方㍍当たり11個を目安とする。欲を出さず思い切った摘果で、連年結果確保につなげよう。

◆フィガロン乳剤の散布
画像の説明
 6月は梅の収穫と重なりミカンの摘果作業は遅れがちになる。特に今年は表年であり、フィガロン乳剤をうまく活用する。ミカン生産にフィガロン乳剤をうまく使えば、摘果剤として、また着色・糖度等の品質向上剤として効果が期待できる。ただし、若木や樹勢の弱い木では散布しない。また、ベタ花で新梢の発生がない木は摘果剤を散布しても効果が出にくいなどがあり、使用にあたっては営農指導員に相談すること。(表1参照)

◆病害虫防除
○黒点病
 黒点病は枯れ枝が伝染源となるため、枯れ枝の除去はこまめに行う。防除は前回散布からの降水量が200㍉を目安にMダイファー水和剤の600倍(60日前まで・2回以内)、またはペンコゼブ水和剤の600倍(30日前まで・4回以内)を散布する。なお、降水量が少ない場合でも30~40日間隔で散布する。
○チャノキイロアザミウマ
 チャノキイロアザミウマの果実寄生は5月下旬から9月頃まで続く。防除は発生が多い6月上旬にオルトラン水和剤1500倍(30
日前まで・3回以内)とし、発生源となる暴風樹への散布も忘れずにする。また、サビダニとの同時防除であればコテツフロアブルの4000倍(前日前まで・2回以内)も有効である。
○ミカンハダニ
 ミカンハダニは発生密度の低い段階での防除が基本となる。薬剤はアタックオイルの200倍(前日まで・3回以内)、またはハーベストオイル200倍(同)とするが、降雨直後の高温・強日射時の散布は避ける。なお、ミクロデナポン水和剤やデランフロアブルを使用した園は1か月以上の散布間隔を開ける。

○ヤノネカイガラムシ
画像の説明
 一部地域で発生が増加しているヤノネカイガラムシについては、発生の見られる園では、幼虫発生のピークとなる5月下旬から6月上旬にアプロード水和剤の1000倍(14日前まで・3回以内)を散布する。    (図2参照)
○ゴマダラカミキリ
 ゴマダラカミキリ(天牛)の成虫は6月中下旬に多く発生し枝や幹に産卵する。アクタラ顆粒水溶剤4000倍(14日前まで・3回以内)、またはカイガラムシ類との同時防除としてスプラサイド(乳)の1000倍(14日前まで・4回以内)を樹上散布する。
○ミカンサビダニ
 近年急激に増加しているサビダニは、かんきつ類の芽のりん片の隙間に成虫が潜入して越冬、春葉の発芽展葉時に新葉に産卵し、当初は葉で増植するが6月下旬から果実に歩行移動する。防除適期は葉から果実に移動する前の6月下旬で、薬剤はコテツフロアブル6000倍(前日まで・2回以内)、または、サンマイト水和剤3000倍(3日前まで・2回以内)。
○その他の病害虫
 高接ぎ園や幼木、夏秋梢の出た園ではミカンハモグリガ(エカキムシ)、アブラムシの防除を行う。同時防除の場合モスピラン水溶剤の2000倍(14日前まで・2回以内)が有効である。

◆中晩柑類の夏肥
 中晩柑類の夏肥は、樹勢維持と果実肥大の促進のため6月上旬に施用する。10㌃当たり、「清見」は新果樹配合100㌔、ハッサク、甘夏は有機化成特A805を60㌔、デコポンは完熟みかん配合を100㌔施用する。

◆マルチ被覆の準備
 ミカンのマルチ栽培は栽培面積の50%を目標に取り組もう。マルチ栽培は雨水の速やかな排除が効果を高めるため、被覆前に溝切りや排水溝の設置を行っておく。被覆は梅雨明け後が基本だが、気象状況を十分把握し、営農指導員との相談のうえ適期に被覆する。(ミカンは秋津谷営農室・谷口光宏が担当しました)

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional