JA紀南広報誌

2003年12月号p02-01

安全・安心なJAブランド確立へ  

「信頼」「改革」「貢献」を基本に運動方向を決議
第24回和歌山県JA大会開く
 



JA紀南からは166人が参加

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 JAグループ和歌山は11月27日、和歌山市の県民文化会館で「第24回和歌山県JA大会」を開き、向こう3カ年のJA運動の方向を決議した。「信頼」「改革」「貢献」を基本姿勢に4つの重点実施事項を掲げ、安全・安心なJAブランドの確立運動を展開し、「『農』と『共生』で築く地域づくり」を進めることを県内JAグループ共通の意志として内外に表明した。JA紀南は今後、合併初年度の現状を踏まえた中、組織・事業、農業振興や地域ニーズの現状と課題を洗い出し、県大会決議との整合性を図りつつ、″JA紀南独自″の行動計画を樹立していく。

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 和歌山県JA大会は、組合員にはJAに対する意識の高揚と事業・活動への積極的な参加と結集を呼びかけ、役職員には協同活動の目的意識の統一を図り、消費者を含む県民にはJA活動への理解と協力を促すため3年ごとに開いている。
 JAグループ和歌山では、今年4月から前回大会決議の取り組み状況を各段階で点検して取りまとめた原案をもとに、8月から9月にかけて組織協議を実施。再度組合長・専務・常務、参事等による会議で協議し、最終的に11月25日の県中央会理事会で大会議案を決定した。
 先の第23回JA全国大会(10月10日開催)が「JA改革の断行」を掲げ、食の安全・安心、米改革への取り組み、経済事業改革や経営力強化に向けて数値目標を含む確実な実践を決議した中、県大会においても強い「改革」意志のもと、「実践する大会」、「開かれた大会」を色濃く打ち出した。

重点実施事項は4つ

 今大会の議案は、1995年のICA声明に基づく協同組合のアイデンティティー(存在意義)とJAの果たすべき役割や責任を集約した「JA綱領」の理念を再認識しており、取り組みの基本姿勢としては「信頼=消費者に信頼される農産物の提供」、「改革=組合員の負託に応える経営改革の実践」、「貢献=地域社会に貢献する協同活動の展開」を取りあげている。
 そのうえで、向こう3カ年にわたって県内JAが取り組む共通の重点実施事項としては、①安全・安心な農産物の供給と地域農業の振興②協同活動の強化による組織基盤の拡充と地域の活性化③経営の健全化・高度化に向けたJA改革の実践④組合員の負託に応えるJA事業戦略……の4つの柱からなっている。

県内から千百人参集

 今大会には県内の組合員代表や役職員ら約1100人が参加。このうちJA紀南からはバス5台で166人が会場入りした。
 主催者を代表して谷本正富JA和歌山中央会会長は「今大会に提起した重点事項を実践する力は、組合員と役職員の協同組合への理解と情熱だ。組合員や利用者のニーズが多様化し、また組合員の世代交代期を迎え、JA運動に対する希薄化が心配される時だからこそ、担い手に対し、さまざまな活動を通じた協同組合理念の浸透を図ることが重要だろう」と強く語った。
 また、今大会決議に取り組むにあたり「JAは組合員の参加・参画・連帯を基本とする運動体だ。県内15万人の組合員の力を結集し、組合員の社会的地位の向上と地域社会への貢献をめざし、地域住民の理解を求めながら、『農』と『共生』で築く地域づくりを実践していこう」と呼びかけた。

木村知事が来賓あいさつ

 来賓として臨席した木村良樹和歌山県知事は「県政は農業の発展なくしてありえない。21世紀になって農業の見方が変わってきており、私も農業は生き方として尊敬される産業だと確信している。日本農業はいま厳しいが、ピンチをチャンスとしてとらえたい」と農業者の奮起を促した。
 また、県内の農業振興に向けた意気込みを「和歌山は米以外にミカン・柿・モモ・梅とすばらしい農作物が多く、これらのブランド化を図り販路を広げることが大事であり、都市を中心に和歌山農業をPRしていきたい。こういう時代に一発逆転のホームランはないだろうが、和歌山には農業力がある。日本はあまりにも海外農産物に依存しすぎているとの考えのもと、和歌山の農業振興に向けた県政を進めたい」と述べた。
 県生活協同組合連合会の尾添仁会長は「食の安全意識をきっかけに、これまで以上に協同組合間の交流と連携を大切にしながら、県民と地域社会に貢献する協同組合の構築に向けがんばっていこう」とあいさつ。和歌山県議会の尾崎要二議長も祝辞を述べた。
 この後、大会運営委員会の虎伏章JA紀南組合長が今大会の運営方法等について報告。議長に坂口善治JA紀州中央組合長を選任して議案審議に入り、荒木健雄JA和歌山中央会専務が議案を説明した。
 上程された「『農』と『共生』で築く地域づくり」に関する大会議案審議にあたって3人が意見を述べた。

「提案型の営農指導を」

 JA和歌山県青年部協議会の成田稔委員長(JAみなべいなみ)は「今大会議案の速やかな実践を強く期待する」と述べたうえで、安全・安心な農産物の安定供給に向けては、生産履歴記帳の実践に加え、生産・流通・消費者の情報交換・交流による信頼関係構築への強い取り組みを求めた。
 県内11JAまで合併が進展している各JAの営農指導・販売機能の強化も要望。「休耕地増大や高齢化、担い手減少の中、産地復興のためには営農指導の強化は欠かせず、JAが地域農業の司令塔として『生産者手取り最優先』に向けた企画提案型の営農指導を強化してほしい」と述べ、販売面では「儲かる農業、やって良かったと実感できる農業をめざし、市場販売対策のさらなる強化とともに、地元産を使った『地産地消』や有機・特別栽培の取り組みを強めてほしい」との考えを述べた。
 経済事業改革の着実な実践に向けては「生産コストの削減は組合員が強く望んでいることだ」として、組合員の積極的な利用結集が欠かせないとしたうえで、JAが安全・安心な資材供給に努め、あわせて物流などの合理化・効率化に取り組むよう提言した。

「女性の声反映が不可欠」
 和歌山県JA女性組織連絡会の今木紀和子会長(JA紀の里)は、県内の農業就業人口のうち女性が占めるウエイトが約55%にのぼる中、「JA運営への女性の声の反映は不可欠で、慣習にとらわれず女性の感性をJAに生かすことがJA改革の第一歩だ」と述べ、女性の正組合員加入や総代選出、役員登用の数値目標を掲げて取り組むよう求めた。
 次世代に対する食農教育の取り組み強化については「将来にわたり農業・農村の良き理解者を育て、ひいては次世代のJA運動の後継者を育成することになる」とし、学童農園や地産地消運動の積極的な展開を要望した。
 また、JAの生活面活動については、安心して暮らせる豊かな地域づくりへのJAのさらなる貢献を提起。女性会の組織強化、高齢化に対応した介護等の福祉事業の積極展開をはじめ、生活全般にかかわるJAの機能発揮に期待を込めた。

「役職員の意識改革から」

 JAみなべいなみの鈴木操組合長は「今大会はJAが想像以上の環境変化に対応し、今後、食・農・地域に対して役割を果たしていくために極めて重要な大会になる」と前置き。安全・安心なJAブランドの確立運動の展開にあたり「食の安全・安心確保はもちろん、JAは信用・共済を含むあらゆる事業・活動で安全・安心をアピールし、地域のニーズに応えていかなければならない」と述べた。
 また、組合員の高齢化と世代交代、地域の混住化が進み『JAは組合員が構成する』という組合員のJAへの帰属意識が薄れてきたとされる中、結びつきを再度強める組織基盤の強化とJA活動参加の促進、組合員・役職員教育の充実が喫緊の課題だと訴えた。
 デフレや競争激化で厳しさを増すJA経営の健全化に向けては「JAが組合員の負託に応えるため、まずは役職員の意識改革が必要だ」と一喝。県内JAグループが共通認識のもと、経済事業改革、経営管理体制の強化、コンプライアンス(倫理をも含む法令遵守)を重視した職場づくりに取り組むよう求めた。

満場一致で大会議案可決

 この後、中畔達夫JAわかやま組合長が大会決議案を、辻脇稔JA紀北かわかみ組合長が大会宣言案を読み上げ、それぞれ満場の拍手をもって可決決定した。
 閉会あいさつに立った石橋芳春中央会副会長(JA紀の里組合長)は「大会決議はこれを組織内外に示すとともに、県内JAグループとして実践に向け中期計画として具体化することになる。JA運動は組合員が主体で組合員の参画が大事。またJAは地域社会への貢献を求められている中、JAグループが改革に向けまい進することをここに約束したい」と述べ、和歌山県JA大会は閉会した。
      ◇
 今大会は「開かれた大会」として位置づけており、直木賞作家の五木寛之さんによる記念講演(演題=こころの風景)を一般県民約700人にも開放した。講演内容は本誌の2004年1月号で紹介します。

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